Googleから届いた「利用規約変更」や「検索サービスの新しい設定」という案内を見て、自分の画像や音声がどこまで保存されるのか不安に感じた方もいるはずです。
今回確認すべきなのは、2026年7月30日に発効する利用規約だけではありません。Google検索関連サービスの履歴管理が変更され、Googleレンズの画像、音声検索の録音、アップロードしたファイルなどを保存する設定が追加されています。
ただし、「すべての画像が無条件にAI学習へ送られる」「Googleが責任を完全に放棄した」という説明は正確ではありません。公式情報を基に、実際の変更内容と設定方法を整理します。
2026年7月30日のGoogle利用規約改定
Googleは、2026年7月30日から新しい利用規約を適用すると案内しています。2026年7月25日時点では、現行規約は2024年5月22日版であり、新規約は事前公開の状態です。
新規約には、主に次のような説明が追加されています。
- Googleサービスが、利用者の操作中以外にもインターネット通信を行う場合があること
- 通信量や通信料金は利用者側の契約に基づいて発生すること
- 医療、法律、金融などの専門的判断をGoogleサービスだけに依存しないこと
- AI生成を含むサービスの内容が、必ずしも利用目的に適合するとは限らないこと
特に追加されたのが、モバイル通信、Wi-Fiなどのネットワーク利用に関する説明です。Googleサービスは、ソフトウェア更新、セキュリティ、ユーザー体験の改善などを目的として、利用者が操作していないときにも通信する場合があると記載されています。
Googleがすべての責任を負わないわけではない
新規約は、Googleが一切の責任を負わないという内容ではありません。規約には、詐欺、重大な過失、故意の不正行為など、法律上制限できない責任については免責しないことが記載されています。
また、Googleが規約や適用法令に違反した場合には、適用法令の範囲内で責任を負うとされています。
したがって、「AIの回答で問題が起きても、すべて利用者だけの責任になる」と断定するのは適切ではありません。ただし、医療、法律、金融などの判断をAI回答だけに依存しないという注意は必要です。
新たに保存対象となる「メディア」とは
利用規約改定とは別に、Googleは検索関連サービスの履歴設定を変更しています。従来の「ウェブとアプリのアクティビティ」から、検索関連の履歴を管理する「検索サービスの履歴」が分離されました。
検索サービスの履歴では、通常の検索文字列だけでなく、「メディアを保存」という設定によって、画像、ファイル、音声、動画などが保存される場合があります。
| 対象サービス・機能 | 保存される可能性がある内容 |
|---|---|
| Googleレンズ | 検索や認識に使用した画像 |
| 音声検索 | 検索時の音声録音 |
| Search Live | 音声や映像を使った検索記録 |
| Google翻訳 | 発音練習などで録音した音声 |
| AIモード | 検索時にアップロードした画像やファイル |
ここでいう「保存」とは、Googleアカウントの検索履歴に関連付けて保管することです。スマートフォン内にあるすべての写真やファイルが、自動的に収集されるという意味ではありません。
対象になるのは、Google検索、Googleレンズ、音声検索などで、利用者が実際に送信または使用したメディアです。
保存したメディアとAI学習の関係
Googleは、検索サービスの履歴を、サービスの提供、開発、改善に利用すると説明しています。この改善目的には、生成AIモデルのトレーニングも含まれます。
「メディアを保存」がオンの場合、Googleレンズで使用した画像、音声検索の録音、アップロードしたファイルなどが、AIモデルの改善に利用される可能性があります。
Googleによると、保存されたメディアをAIモデルの学習に使用する場合、データはGoogleアカウントとの関連付けを外したうえで処理され、最長4年間保持される場合があります。
そのため、履歴画面から元のデータを削除したとしても、すでにAIモデルの学習用としてアカウントから切り離されたデータは、直ちにすべて消去されるとは限りません。
機密情報を検索に使用しないことが最も確実
設定のオン・オフにかかわらず、免許証、マイナンバーカード、クレジットカード、銀行口座、給与明細、医療記録などを、検索サービスへ安易に送信することは避けるべきです。
たとえば、個人事業主が請求書の内容を調べるため、取引先名、住所、口座番号が写った書類をGoogleレンズに読み込ませるケースがあります。必要な部分だけを切り抜く、個人情報を隠す、端末内で処理できる方法を使うなどの対策が必要です。
Google規約改定で誤解されやすい4つの情報
誤解1:すべての利用者が自動的に保存オンになる
一律にオンになるとは限りません。Googleは、従来の「ウェブとアプリのアクティビティ」をオフにしていた場合、新しい「検索サービスの履歴」もオフの状態で移行すると説明しています。
一方、これまで検索履歴を保存していたアカウントでは、新しい設定でも保存が有効になる可能性があります。自分のアカウント画面を実際に確認する必要があります。
誤解2:Googleがスマートフォン内の写真をすべて収集する
公式説明から確認できるのは、検索サービスで使用した画像、音声、ファイル、動画です。スマートフォン内に保存されている全データを無条件に収集するという変更ではありません。
誤解3:GoogleはAI回答について一切責任を負わない
新規約には免責事項がありますが、Googleの責任が完全になくなるわけではありません。適用法令によって制限できない責任や、Googleによる規約違反などは別に扱われます。
誤解4:規約に同意しない場合はアカウント閉鎖しかない
新規約に同意しない場合、Googleはコンテンツを削除してサービスの利用を停止するよう案内しています。Googleアカウントの閉鎖も選択肢ですが、規約文上「必ずアカウントを閉鎖しなければならない」と限定されているわけではありません。
| 広まっている説明 | 公式情報から確認できる内容 |
|---|---|
| 全員が強制的に保存オン | 従来設定によってオン・オフが引き継がれる |
| 端末内の全写真を収集 | 検索サービスで使用したメディアが対象 |
| Googleは一切責任を負わない | 法令上制限できない責任などは残る |
| 拒否方法はアカウント閉鎖だけ | サービス停止とコンテンツ削除も示されている |
メディア保存を停止する設定手順
設定名称や画面構成は、アカウントへの反映状況、端末、アプリのバージョンによって異なる場合があります。まずGoogleアカウントの「データとプライバシー」を開いてください。
新しい設定が表示されている場合
- Googleアカウントにログインします。
- プロフィールアイコンから「Googleアカウントを管理」を開きます。
- 「データとプライバシー」を選択します。
- 「履歴の設定」または「マイ アクティビティ」を開きます。
- 「検索サービスの履歴」を選択します。
- 「メディアを保存」のチェックを外します。
- 確認画面が表示された場合は、内容を確認してオフにします。
「検索サービスの履歴」自体をオフにすると、検索文字列などを含む検索関連の履歴保存も停止できます。ただし、検索候補やおすすめなどのパーソナライズに影響する可能性があります。
新しい設定がまだ表示されていない場合
- Googleアカウントの「データとプライバシー」を開きます。
- 「履歴の設定」にある「ウェブとアプリのアクティビティ」を選択します。
- 検索履歴、音声、画像検索に関する保存項目を確認します。
- 不要な保存項目が有効になっている場合はオフにします。
- 後日「検索サービスの履歴」が追加されていないか再確認します。
過去の検索履歴と保存メディアを削除する方法
今後の保存をオフにするだけでは、それまでに保存された履歴が自動的にすべて消えるわけではありません。過去の履歴も減らしたい場合は、削除操作を別に行います。
- Googleの「マイ アクティビティ」を開きます。
- 「検索サービスの履歴」を選択します。
- 「削除」を選択します。
- 「今日」「指定の期間」「全期間」から削除範囲を選びます。
- 対象サービスと内容を確認して削除します。
自動削除は3か月、18か月、36か月などから選ぶ
アカウントに表示される選択肢の範囲内で、自動削除期間を設定できます。短期間で削除したい場合は3か月を選択できますが、すべての利用者に3か月が最適とは限りません。
| 設定 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 3か月 | 履歴を長く残したくない人 | 過去の検索を参照しにくくなる |
| 18か月 | 利便性と保存期間を両立したい人 | 1年以上の履歴が残る |
| 36か月 | 長期的な履歴を活用したい人 | 保存される情報量が増える |
| 履歴保存をオフ | 履歴を原則として残したくない人 | パーソナライズが弱まる場合がある |
なお、すでにAIモデルのトレーニングに利用され、Googleアカウントとの関連付けを解除されたデータについては、履歴削除後も最長4年間保持される場合があります。
一般ユーザーが取るべき現実的な対策
今回の変更に対して、Googleアカウントを直ちに閉鎖する必要があるとは限りません。重要なのは、保存対象と設定内容を理解し、自分が許容できる範囲を選ぶことです。
対策1:現在の設定を実際に確認する
「全員オン」「全員オフ」と決めつけず、自分のGoogleアカウントで「検索サービスの履歴」と「メディアを保存」の状態を確認してください。
対策2:機密情報をGoogleレンズへ送らない
設定だけに依存せず、免許証、マイナンバーカード、クレジットカード、給与明細、契約書、顧客名簿などは検索サービスへ送信しない運用が基本です。
対策3:必要に応じてメディア保存をオフにする
画像や音声を検索履歴として残す必要がない場合は、「メディアを保存」をオフにします。検索履歴全体を止める必要がなければ、メディアだけを停止する方法もあります。
対策4:AI回答は一次資料で確認する
AI検索の回答には誤りが含まれる可能性があります。病気、薬、契約、税金、投資、法律など、判断を誤ると損害が大きい内容は、公的機関や専門家などの一次情報で確認してください。
対策5:事業用アカウントでは社内ルールを作る
会社や店舗でGoogleサービスを利用する場合、個人情報や顧客資料をGoogleレンズやAI検索へアップロードしてよいか、社内で基準を決める必要があります。
たとえば、税理士事務所、介護事業所、整体院、美容サロンでは、顧客名、住所、健康情報、予約情報などを扱います。従業員が便利だからという理由だけで外部AIサービスへ送信すると、事業者側の情報管理責任が問題になる可能性があります。
よくある質問
Googleレンズで撮影した画像は必ずAI学習に使われますか?
必ず使われるとは限りません。ただし、「検索サービスの履歴」と「メディアを保存」が有効な場合、保存された画像がサービス改善やAIモデルのトレーニングに利用される可能性があります。
「メディアを保存」をオフにすれば検索できなくなりますか?
Googleの説明上、オフにするのは履歴への保存です。Googleレンズや音声検索そのものが利用できなくなるという説明ではありません。ただし、一部のパーソナライズ機能に影響する場合があります。
過去の画像を削除すればAI学習からも削除されますか?
必ずしも直ちに削除されるとは限りません。すでにAI学習に利用され、アカウントとの関連付けを解除されたデータは、最長4年間保持される場合があるとGoogleは説明しています。
2026年7月30日までに設定を変えなければなりませんか?
利用規約の発効日は2026年7月30日ですが、検索サービス履歴の設定変更は別途順次反映されています。規約発効日を待たず、現在の設定を確認して問題ありません。
Googleアカウントを閉鎖した方が安全ですか?
利用状況によって判断が異なります。まずは履歴保存、メディア保存、自動削除などを見直し、機密情報を送信しない運用を行う方が現実的です。
まとめ
Google利用規約は2026年7月30日に改定されます。同時期に検索履歴の管理方法も変更されていますが、両者は同じ変更ではありません。
- Googleレンズの画像、音声検索、アップロードファイルなどが保存対象になる場合がある
- 保存されたメディアは、AIモデルのトレーニングに利用される可能性がある
- 従来の履歴設定がオフだった利用者は、新設定もオフで移行する場合がある
- 「Googleが一切責任を負わない」という説明は正確ではない
- 「メディアを保存」はGoogleアカウントから個別に停止できる
- 最も確実な対策は、機密情報を検索サービスへ送信しないことである
不安をあおる情報だけで判断せず、Googleの公式設定画面と公式ヘルプを確認したうえで、自分に必要な保存範囲を選択してください。
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